6月7日(金) 昨日は一日中快晴で外作業に精を出しました。
しかし、今日からは曇天が続き、いよいよ梅雨入りのようです。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 2010.jpg です
・・・・ 昨日(6月6日)の八ヶ岳の姿です



■  シリーズ :旅の途中! ■ 
色々な景色やモノを見て、色々な考え・色々な人に出会う!


今回は、以前から興味があり研究していた”図形/図柄にしめる心理的作用”ということで「曼荼羅/曼陀羅」を取り上げてみました。

 ・・・ 私が描いた油彩の曼荼羅画


「曼荼羅/曼陀羅」とは、サンスクリット語のmandalaの音写で、通常本質とか精髄を意味するmandaと、~を具有するという意味をもつ接尾辞「la」という語の合成語とされ、本質、精髄をもつもの、つまり悟りを意味する言葉とされ、仏陀の悟りの境地を表現しています。
仏や菩薩を一定の方式に配し、悟りの境地を表した図形です。
又、単に、円・輪・集合体と言う意味や壇(仏を招き供養するための聖なる場所)とか輪円具足(りんえんぐそく)との意味もあるようです。
曼陀羅は、大きく分けると胎蔵界曼陀羅、金剛界曼陀羅に分かれますが、インドやネパールではそのような分類法はしていないようです。
曼陀羅が中国を経て日本に伝わったときに”空海”が「胎蔵界と金剛界」という分類思想で紹介したようです。「胎蔵界」とは文字通り”女性の子宮を意味し、「金剛界」とは不変不動を意味し、男根(塊)をも意味します。
空海は、”女性”性と”男性”性の日本的な二元論を曼陀羅を通して作り変えようとしたともいえますが、曼陀羅は、宗派によってその意味や解釈も異なると言われますので、参考意見に留めて下さい。


・・・ インド/ダラムサラで見た砂曼荼羅を描くチベット僧侶


私が現地で見た曼陀羅は、仏が天を舞うような曼陀羅や幾何学模様の曼陀羅、抽象画のような曼陀羅があり、チベット僧が描く「砂曼陀羅」は、小さな筒から、色砂を指の振動で少しずつ落として描きます。
呼吸で砂が舞ってしまいますので、僧はマスクをして、息を止めながら描き、描き終わったら直ぐに壊します。
本来・曼荼羅は、描いた画に意味があるのではなく、 描いている最中の修練(無の境地になる)に意味があるらしいのです。
曼陀羅を見て分かるのは、基本的な円と四角が中心となっていて、それが重積した求心的配列をとっていることです。
参考までに、胎蔵界曼陀羅は、衆生の無上の仏道心が、万物の大悲(胎内)の中で成長する過程を図形化したもので、金剛界曼陀羅は、「金剛頂経」に基ずく曼陀羅で、大日如来の智慧を表しているともいわれます。


・・・ Bhaktapur/Nepal


私の興味は、心理学的なところからの曼陀羅絵図(図形と構成の心理学的因果関係)は? との思いへ!

そこで、『 ユングと曼陀羅 』

心理学者・ユングは神経症患者などが描く絵画に精神的な安らぎを感じるものがあることに不思議さを感じ、また、それらの絵にある類似点があることに気づきました。
その類似点は道教の本に出ていた曼陀羅と一致し、さらに曼陀羅的配列の絵画はエジプトやギリシャなどの遺跡にも残されており、ユングはこれを単なる個人の創造や思いつきで作られるものではなく、
すべての人間が所有する基本的な形象(円や四角の幾何学図形の配列と求心的構図)ではないかと考えるに至ります。
ユングは曼陀羅を「自分自身でも意識できない部分を含めた心全体を表す図」と捉えています。
高僧達が瞑想によって得た宇宙観を描いた曼陀羅を見て、神秘的な感じを受けるのは私達の心の無意識の部分にも共鳴する部分があるからだというのです。
「無意識」とは仏教で「阿頼耶識(ア-ラヤシキ)」といわれ、普段は自我意識の奥にあり、外から情報(識)を自我意識を通して吸収しているが、時々表に出てくるものとされ、ほぼ同じ意味でとらえられています。
曼陀羅は、心の内なる中心を具現化して表したものといえます。

また、曼陀羅は、”円と四角”の幾何学図形と”4と9”という数字に密接な関連があります。
・・・ 仏教では、4は完全数、9は還元数で異次元の数とされています。
このような円や四角、4と9でモザイクされた曼陀羅を分裂病とか神経症の患者が発病期や治療期といった転換期で書くことはユングを始め、多くの深層心理学者が指摘しています。 
それらの場合、円のイメージの厳格な秩序が心的状態の無秩序と混乱を補償していると考えられます。
その補償作用は中心点が構築され、それを中心にしてすべてのものが秩序づけられたり、あるいはさまざまな無秩序なもの・対立しているもの・結合できないものが同心円的に整然と配置されることによります。
これは明らかに自然の自己治癒の試みであって、それは何か意識的な熟慮といったものではなく、本能的な衝動から生まれるものであると言われます。

これらのことから、ユングは、人々は心の奥底にこのような形象をもっていると考え、その基礎的な図式を「元型」と名付けます。
この「元型」が現れる根底にあるものは、あらゆる時代・あらゆる場所において非常に似たシンボルを作り出す、個人に意識されない普遍的なものだとして、これを「集合無意識」と名付けています。


カール・グスタフ・ユングの著書には「マンダラと固体化」「表象と象徴」「無意識の心理学」「心的類型」などがあります。

(参考) 図形による心理的分析には、スイスの精神科医師「ロールシャッハ」によるロールシャッハテストがあります。 ご存知の方も多いと思いますが、年代(幼児・思春期・壮年期・晩年期)や職業・性別、病(分裂症・精神病など)の状態がある程度分かるそうです。


・・・ このように、曼荼羅を含め”図形”と人間の”心・精神”には密接な繋がりがあるようです。