《 シリーズ八ヶ岳思考 》
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ビルが林立する都会から離れ、木々が林立する八ヶ岳の山の中で、星空を眺めながら思考するシリーズです。
時には、普段の生活から離れて 景色を見たり・学んだりするのも一考かと思います。・・・ それが、 ” シリーズ:八ヶ岳思考/シュタイナー編 ” です。
ルドルフ シュタイナー の黒板画
” 黒板絵と色相環 ”
ルドルフ シュタイナーの概略説明
ルドルフ シュタイナーは、 1861年2月27日 ( 1925年3月30日没す。享年 64才 ) に 当時のオーストリアの国境近くの町クラリエヴェク(当時のオーストリア帝国 から ユーゴスラヴィア > 現在はクロアチア、ボスニアなどの国に分裂)にて、オーストリア帝国南部鉄道の公務員(薄給の鉄道職員)であるヨーゼフ・シュタイナー(敬虔なカソリック教徒の両親)の元に第一子として誕生した神秘学者/人智学者で、スイスのバーゼル郊外のドルナッハに第一ゲーテアヌムや第二ゲーテアヌム、その周辺の施設や住宅の設計をした建築家でもあります。
ルドルフ・シュタイナー設計の建物
又、彼は物質とエネルギーに特化しているこの世の中で、” 自己の存在を確認し、自己が見聞きする世界 ” が、揺るぎのない ”真実 ”であるという根拠は? という疑問を呈し、 霊的魂的洞察から導いた一つの理念/思考(精神科学)を、人々に広く伝えようとしました。
その思考/理念をAnthroposophie (人智学) と名づけ、”宗教”ではなく”科学”であると述べています。
そして、現代では互いに離反してしまった 「科学」と「宗教」と「芸術」の再統合を目指そうとした思想家です。
そのような観点から、独特の形状・色彩での建築や黒板絵を描き上げています。
彼は、自らの思考方法は 精神世界(霊的世界)をただ崇めるだけの宗教や霊媒的なプロセスを介しての心霊主義者のヴィジョンとは異なり、精神世界のありのままを認識するという意味で、科学(Wissenschaft)なのだと述べ、 独特の哲学、生命の霊的進化や死後、宇宙の進化論に留まらずに、教育・医学・農業・芸術/建築・舞踏/Eurythmie(オイリュトミー) など幅広い分野に至っていますが、 種々の誤解や批判的な意見/解釈があるのも事実です。
シュタイナーが講義時に描いた黒板絵
シュタイナーが一般講義の際に自分の思考を説明するために黒板に描いたものです。
その絵が、余りにカラフルで綺麗でなので、シュタイナーの仲間たちが保存するために黒板に黒い紙を張りその上に書いてもらったものが残っているのです。
黒板絵の色彩といい、構図・構成といい、無意識的(単なる説明)に手が動いてこのような絵が出来上がるんですね。
説明のためのもので、絵を描こうとはしてないのにこれです!
・・・ 凄いですね。
それでは、シュタイナーの黒板絵をご覧下さい!
シュタイナー、ゲーテの色相環
色については深く興味があるのですが、ここでは色の特性を簡単に三原色と色相環を図式化して掲載しますので、参考にしてください。
いつか、色彩論・色相環も取り上げたいと思っています。
” 色ごと ”
(註)俗にいう”色ごと”ではありません
光の三原色を全部重ねると”白”になるのですが、色の三原色は全部重ねると、不思議なことに”黒”になります。
実際に、色のついたセルロイドなどに光を通して試みて下さい。或いは、絵の具などでも試してみると面白いです。
・・・ 子供などには、喜ぶ実験です。
色ごとですが、
色により、寒く感じたり、暖かく感じたり・広く感じたり、狭く感じたり・嫌悪したり、落ち着いたりします。
長年暮らしている部屋の色や空間で、そこにいる人の性格まで変わるという意見もあります。その相関関係を色々な方や建築家・心理学者などが研究しています。
その一環としてゲーテやシュタイナーの色相環もあります。
かなり昔のことですが、アメリカの心理学者の研究論文にあったことです。
そのリポートでは、ある建築家が設計した幾つもの住宅では、子どもの発達(頭脳的)が遅れるというので調査したところ、子供部屋は、危険であるということから凹凸や角のない卵の中のような空間で、色は白っぽい色で、いつも影もなく距離感が掴めない空間になっていたそうです。
因果関係は分かりません。
結論は出していなかったと思います。
※ そのようなリポートがありました。
事実関係!
そのようなことが、色や空間から起きたのかは分かりません。
又、何が正しくて、何が間違えているかも分かりません。
しかし、色や空間は生きていく環境にとっては、とても大切な要素であることは事実なのです。
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尚、シュタイナーは、はっきりした色彩ではなく滲んでいるような色合いを好み、その色彩感覚での色相環を持っていたようです。
※ ゲーテの色相環に近い感性です。
私見になりますが、
シュタイナーは、思想的なことだけでなく色彩感覚もゲーテに寄り添うところがあったのかもしれません。
ルドルフ・シュタイナーの項目には、”シュタイナー建築 ” もありますので、興味のある方はクリックしてみて下さい。
《 シュタイナー建築 》
シュタイナー建築 ☆ シュタイナー思想の造形